第56回日本医療・病院管理学会学術総会

会長挨拶MESSAGE

人工知能(AI)・ICTが拓くヘルスケアサービスの未来
(The development of AI and ICT bring about changes in the future Healthcare service )

第56回日本医療・病院管理学会学術総会 会長

竹田  秀
Shu Takeda
一般財団法人竹田健康財団 理事長

 2018年(平成30年)は厚生労働省が「惑星直列」にも例えている医療・介護制度の本格的な改革がスタートする年であり、また診療報酬・介護報酬の同時改定も予定されている大変重要な年であります。そのような節目の年に第56回日本医療・病院管理学会学術総会長を拝命し、光栄に存じますとともに責任の重さを感じております。
本学術総会は平成30年10月27日(土)から28日(日)の2日間にわたり福島県郡山市において開催いたしますが、メインテーマは「人工知能(AI)・ICTが拓くヘルスケアサービスの未来」といたしました。


 2010年頃から人工知能(AI:Artificial Intelligence 煩雑なので以下AIと表記します)の第3次ブームと言われています。皆様よくご承知のことなので詳しいことは省略いたしますが、将棋ソフトウェアと現役のトッププロが対戦する電王戦(5回戦)では将棋ソフトウェアが2013年、2014年と現役プロ棋士に連続して勝ち越しました。囲碁では2016年にディープマインド社(グーグルの子会社)が開発した「アルファ碁」というソフトウェアが韓国のイセドル九段を破り、今年の春には世界最強といわれる中国の柯潔(かけつ)九段に3勝0敗で勝利しました。これを受けてディープマインド社のCEOのデミス・ハサビス氏は「人間との対戦はこれが最後になる」と事実上の勝利宣言をしています。この「アルファ碁」は人間の打った手順を手本とする教師付学習を採用していました。ところが2017年10月のディープマインド社の発表によると新たに開発した「アルファ碁ゼロ」というソフトウェアは、人間の手本を学習させずにソフトウェア同士だけの対戦を2900万回も重ねた結果、自己学習だけで圧倒的な強さを持つようになったということです。(旧「アルファ碁」とは490万回の学習段階で100回対戦して100勝の成績)この結果は単なる膨大な量的試行が人間の経験や知識の蓄積を上回ったという意味で極めて衝撃的です。改めて人間の経験、直観力や感性の持つ意味や限界について考えさせられます。

 AIは本格的な実用化が目前の自動車の自動運転システムはじめ、各種の予測・解析システム等の多方面のビジネス分野で既に導入がはじまっています。医療の分野では画像診断への適用や創薬開発があげられます。2016年には東大医科研でIBMのWatsonが白血病患者の診断治療に寄与したことが大きく報道されました。このように臨床における高度な意思決定を支援するニーズはますます高まると思われます。

 本学術総会ではAIやICTの驚異的な進展がこれからのヘルスケアサービスや医療・病院のマネジメントにどのような影響を与え、我々はどのような価値観を持って共存していくのかということを考える大切な機会にしたいと思います。

 是非とも大勢の皆様のご参加をお待ちしております。




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